脳卒中後のリハビリで欠かせないのが 「起き上がり動作」です。 特に片麻痺患者では、腹筋の働きが弱くなるため、起き上がり方に大きな個人差が生まれます。
今回の研究は、「側臥位(横向き)から起き上がる方法」と「半側臥位(横向きになりきらない姿勢)から起き上がる方法」では、どちらがやりやすいのかを実際の患者で比較したものです。
対象
脳卒中片麻痺患者 27名
普段の起き上がり方で2群に分類
・側臥位で起き上がる人:16名
・半側臥位で起き上がる人:11名
方法
研究では、普段と“逆”の方法で起き上がってもらい、できるかどうかを調べていました。
つまり、側臥位で起き上がる人 → 半側臥位で起き上がれるか?
半側臥位で起き上がる人 → 側臥位で起き上がれるか?
各動作は最大3回試行し、1回でも成功すれば「可能」と判定。 結果は統計的に比較されました。
結果
半側臥位群(11名)→側臥位で起き上がれた:10名、起き上がれなかった:1名
側臥位群(16名)→半側臥位で起き上がれた:4名、起き上がれなかった:12名
側臥位 → 半側臥位は難しいが、半側臥位 → 側臥位はできる人が多い。
つまり、難易度としては、側臥位のほうが圧倒的に起き上がりやすい。
考察
研究では、次のように考察されています。
・半側臥位は腹筋の負担が大きい
・半側臥位は、側臥位よりも腹筋の活動が必要
・片麻痺患者は腹筋が弱くなりやすいため、側臥位をとらざるを得ないと考えられます
臨床的示唆(リハビリへの応用)
・側臥位からの起き上がりが片麻痺患者の中でも一番起き上がりやすい方法
・腹筋が弱い患者には側臥位からの起き上がりでしか起きられない可能性がある
・リハビリでは、 まず側臥位での起き上がりを安定させ、その後に半側臥位へステップアップするという段階的アプローチが必要となるかもしれません。
出典:江口 英範 他(2011)「脳卒中片麻痺患者の側臥位と半臥位からの起き上がりにおける起き上がり易さの比較」 臨床福祉ジャーナル 第8巻16-19
